『CONNECT+』Vol.11:特別インタビュー

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掲載日:2025年2月12日

SHONAIが日本のビジネスモデルを変える

地方はシーズの宝庫

『カンブリア宮殿』や『ガイアの夜明け』などのメディア出演や、数々の受賞歴、さらには首相対談にまで呼ばれるなど、大きな注目を浴びている「株式会社SHONAI」山中大介社長。わずか10万円の資本金で企業を立ち上げ、設立10年で21億円の売上を達成し、山形を拠点に地方経済の未来を切り拓くリーダーとして全国的に注目を集めている。「ニッポン新事業創出大賞」などの受賞歴を誇る彼が挑むのは、“経済で地方を変える”という壮大なミッション。その背景にある思いと戦略について語ってもらった。

 

 

 

最先端を走る会社「SHONAI」

山形県鶴岡市を拠点に活動する株式会社SHONAIは、地方の未来の開拓に挑んでいる。2014年の創業以来、観光・農業・人材・教育の4分野で地域課題の解決に取り組み、次々と新しい価値を生み出してきた。「SHONAI HOTEL SUIDEN TERRASSE」や「KIDS DOME SORAI」など、地域の魅力を最大限に引き出す事業は全国的にも注目されている。2024年には「地方の可能性を世界経済とつなぐ」という新たなミッションを掲げ、さらなる飛躍を目指す。2030年までに売上100億円の達成を目指しているが、これは単なる数字目標ではない。地方特有の資源を活用し、地域経済を再生させる新しい経済モデルを世界に発信するという壮大なビジョンがその背景にある。地方から生まれる可能性を信じ、持続可能な未来をデザインするSHONAI。その取り組みは、地方経済の新たなロールモデルとして注目を集めている。

 

街づくりに疑問を持つ「街づくり会社」

「街づくりが嫌いなんです」と語る山中社長が運営するSHONAIは、あえて「街づくり会社」と名乗っている。曖昧な“街づくり”という概念を振りかざし、結果的にやりがい搾取に陥るケースが多い中、「街づくりとは、地方から新しい経済を作ることだ」と明確に定義。その上で、利益を生む仕組みを組み込むべきだと訴えている。

実際、SHONAIは観光、農業、人材、教育という4つの事業領域で経済の循環を生み出している。「課題解決は手段であって目的ではない。楽しく、かっこよく、儲けることが持続可能な街づくりの鍵なんです」と語る彼の視点は、地方ビジネスの常識を覆しながら、多くの人を巻き込んでいる。

 

取材時の様子(左:トークネット 太田 中央:SHONAI 山中社長 右:雑談会議 稲垣)

 

地方には「ある!」

「東北には何もない」という言葉を耳にすることがあるが、彼の考えは真逆だ。「地方には、世界に誇る豊かな自然、食、伝統文化、世界と戦える可能性を持った企業などすごいものがたくさんある。むしろ、全てが資源なんです」。その証拠に、彼は水田の真ん中にホテルを建設し、年間6万人もの集客を実現した。

 

広大な水田の真ん中に佇む「スイデンテラス」

 

世界から見た日本の地方の魅力は計り知れないものがあり、歴史、文化、食、自然、そのどれもが唯一無二の価値を持っている。「日本の地方はどこに行っても魅力で溢れている。ただ、その価値に気づくには比較軸がないといけない」。そう語る山中社長は、地方の持つポテンシャルを最大限引き出すため、地域資源の活用と戦略的な視点の重要性を強調した。

 

足りないのは「戦略」だけ

多くの地方ビジネスは頑張りが報われない仕組みに陥りがちと警鐘を鳴らす山中社長の持論は、「地方はシーズの宝庫であり、足りないのは『戦略』だけ」というもの。例えば、SHONAIは不動産やプラットフォームへの投資を通じて持続可能な収益構造を構築するというアプローチを提案。これを地方ビジネスに取り入れることで、新しい産業や経済の可能性を切り拓いてきた。「頑張るだけの戦闘型では限界がある。戦略を持ち、仕組みを作ることで成果を最大化しなければならない」と語る彼の言葉には説得力がある。

 

人材育成とグローバルビジネス

地方の持続可能な発展には、地域人材の育成が不可欠だ。SHONAIでは教育事業を通じて、地域の未来を担うリーダー人材を育てている。また、地域企業のポテンシャルを引き出すため、地方企業と専門性の高い複業プロ人材を繋ぐ「チイキズカン」を運営し、地域経済の活性化にも貢献。「地方企業には無限の可能性があるが、それを生かすためには戦略的視点が必要だ」と話す山中社長は、地方企業が抱える課題を解決し新たな市場の開拓をサポートすることで、地方発のグローバルビジネスモデルの確立を目指している。

 

崇高な理念×低俗な欲求=成功

「どれだけ素晴らしいストーリーがあっても、その物自体が格好よくなければ誰も買いません。」山中社長はそう切り出した。

多くの場合、地域課題解決の取り組みでは「ストーリーさえあれば物が売れる」と考えがちだと言う。しかし、山中社長はその考え方に一石を投じる。「課題解決は結果論でしかありません。」いかに理念を掲げても、物が売れなければ何も始まらない。人々が「欲しい」と思う欲求を満たす物を作り、それが結果として理念の実現や課題解決につながる。逆に言えば、理念がどれほど崇高でも、欲求を刺激できなければ、経済も地域も回らない。彼の言葉には、ビジネスと理念を両立させる現実的な視点が込められている。

「崇高な理念は、低俗な欲求として満たされない限り回らない」という山中社長の言葉は、理想と現実を橋渡しするヒントを示しているのかもしれない。

 

SHONAIが開発を担った鶴岡サイエンスパーク

 

地方の未来に革命を

「地方には無限の可能性がある」。その言葉の裏には、地方の現実と向き合い、変革を起こしてきた確かな実績があった。その先に待つのは、「地方から世界へ」という大きな夢。驚くことに、山中社長の10年後のビジョンは「庄内をテーマにした映画を制作し、アカデミー賞を狙う!」というもの。「10億円規模の映画は、地方の可能性を示すシンボルになる」と目を輝かせた。この夢は、地域の魅力を映像で世界に発信する壮大なプロジェクトである。

「観光、農業、人材、教育の4事業をスケールアップしながら地域経済を活性化させる。そして、映画でも世界に挑戦する」と語る言葉からは、地方を愛し、地方で未来を作るという強い意志が感じられた。SHONAIの挑戦は、間違いなく地方経済の未来を示す一つのモデルとなるだろう。今後も山中社長の活躍から目が離せない。

 

左:トークネット 太田 中央:SHONAI 山中社長 右:雑談会議 稲垣

 

<プロフィール>
株式会社SHONAI 代表取締役
山中大介 (やまなか・だいすけ)

1985年12月24日生。東京都大田区出身。「地方の希望であれ」をVISIONに掲げる株式会社SHONAI代表取締役。地方から新しい経済を創出することで、山積する地域課題は未来への希望に変えることができる。地域と全国から資本調達(57億円※2025年1月時点)し、ホテル「スイデンテラス」や農業ロボット「アイガモロボ」、地方特化型人材採用サービス「チイキズカン」、教育施設「キッズドームソライ」など、観光、農業、人材、教育の4領域で地方を前進する。ニッポン新事業創出大賞など受賞多数。カンブリア宮殿、ガイアの夜明けなどに出演。

 

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