『CONNECT+』Vol.9:地域企業の突破口
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掲載日:2024年10月28日

地域企業の突破口
~共創からはじまるInnovation~
「共創」は企業にどんな変革をもたらすのでしょうか。
地域企業が成長し続けるためには、異なる企業や産業の枠を越えて「共創」し、新しい価値を創出することが求められます。
「地域企業の突破口」では、東北の企業や自治体の先端共創事例を特集していきます。
入居率100%の商店街が示す地域活性化の未来
CASE09 パーパスが導く、新たな共創モデル
「令和5年度 ふるさとづくり大賞」「第6回地域再生大賞 準大賞」「2017年度グッドデザイン賞」など数多くの賞を受賞している「沼垂テラス商店街」を知っていますか?
かつてはシャッター通りだったこの商店街は、街の歴史や文化、景観を地域資源として活用し、再生に成功しました。
今ではレトロな雰囲気をまといながらも、若手起業家を次々と引き寄せる「古くて新しい」場所へと生まれ変わっています。
沼垂テラス商店街の様子
約200メートルの通りに並ぶのは、カフェや陶芸・ガラス工房、総菜店、雑貨店、フラワーショップなど、個性豊かな店舗たちです。訪れる人々にとっても、ここは魅力的な交流の場となっています。
全国の商店街の約7割が空き家を抱える現状、人口減少や高齢化の影響で解決策を見いだせない商店街が多く存在します。しかし、新潟市に、10年近く入居率100%を誇る商店街があるというのは、信じがたい話かもしれません。
駅から徒歩15分とアクセスが良いわけではありませんが、毎月第1日曜日の朝市は、多いときには4,000人を超える来場者を集める人気イベントに成長しました。
この商店街が地域の活性化に果たす役割は大きく、地域の交流人口を増やし、若者の起業の場を提供し、移住や定住者を創出しています。
この人気の裏には何があるのでしょうか。その秘密を探ると、「共創」というキーワードが浮かび上がってきます。
空き店舗から始まる商店街革命
商店街再生の立役者、「株式会社テラスオフィス」代表の田村寛さん。
実家が50年近く続く郷土料理店を営んでいた彼は、大学進学を機に一度地元を離れましたが、家業を継ぐために新潟に戻りました。
「株式会社テラスオフィス」代表 田村寛さん
その際に目の当たりにしたのは、衰退する商店街の姿でした。「このままではいけない」という危機感が田村さんを突き動かし、2010年、空き店舗を活用してスイーツと惣菜の店「ルルックキッチン」をオープンしました。
これが「共創」の輪を広げる始まりでした。
「実際にお店をやってみたら、思っていた以上に人が来たんです」と田村さんは振り返ります。
驚きとともに、その成功体験を積極的に発信するうち、共感した人々が少しずつ集まり始めました。
2011年には手づくり家具と喫茶の店「ISANA」、2012年には陶芸工房「青人窯(あおとがま)」がオープンしました。
3年で3つの新店舗が開業する中、田村さんは次のステージへと進むことを決意しました。
2014年3月には「株式会社テラスオフィス」を設立し、空き店舗状態だった長屋の土地と建物を購入するという大きな一歩を踏み出し、商店街全体の管理・運営を担うようになります。
この選択は、商店街全体を個性的で統一感あるデザインで魅力的な場所として再生したいという願いからでした。
「歴史・文化・景観を活かして」「ここでしか出会えないモノ・ヒト・空間」をコンセプトに掲げた結果、次々と新しい仲間が加わるようになりました。
元々は市場通りと言われていた場所を2015年春に「沼垂テラス商店街」へと名称を変更してからは、長屋すべてが店舗として再活用され、現在も入居率100%を維持しています。
「共創」を掲げる姿勢こそが、彼らを引き寄せた理由です。
熱意が人を引き寄せる
「沼垂テラス商店街」では、入居者の募集を積極的には行っていないにもかかわらず、毎年数件の問い合わせがあります。
空き店舗がないため、周辺の空き家・空き店舗を利用したサテライト事業にも挑戦し、地域資源を最大限に活用しています。
現在、25店舗の商店街に加え、8店舗のサテライトが展開され、さらに商店街の魅力を広げています。
田村さんが入居希望者と面談する際、重視するのは「一緒に商店街を盛り上げたい」という熱意です。
一般的な不動産業者が気にする保証人の確認はほとんど行わず、その人がどれだけ真剣に取り組む姿勢を持っているかを見極めます。
「過去には保証人がいなかったケースもありましたが、その熱意を評価して迎え入れました」と語る田村さん。
業種や経歴にとらわれず、さまざまなバックグラウンドを持つ人々が集まり、商店街に新しい価値を生み出しています。
このような姿勢が、リスクを伴うように見えても、新たなパートナーを引き寄せ、共創の輪を広げ続ける力になっているのです。
田村さんと商店街の入居者
レトロな魅力で未来をつかむ
「10年後も、誰もが気軽に利用できる、楽しい商店街であり続けたい」と語る田村さん。
彼が目指すのは、地元の子どもたちが「戻ってきたい」と思うような地域づくりです。
昭和の懐かしい風情を残しつつ、共創の力で新たな価値を生み出すこの商店街の取り組みは、これからも続いていくに違いありません。
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