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<最新共創事例>地産地消を狙う家具メーカーと青森発社会起業家との共創
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掲載日:2025年8月5日

共創プラットフォーム『よりそう東北コネクト』を通じて生まれた共創事例をご紹介します。
廃棄されるリンゴの残渣が家具に変わる!?──共創が拓く新たな価値
・「リンゴの残渣×家具」──異色の素材が生んだ、新市場の可能性とは?
リンゴの残渣から生まれた東北発の環境素材「RINGO-TEX®(リンゴテックス)」が家具の張地に。
思わぬ組み合わせが生んだ新たな製品づくりに迫ります。
・共創をカタチにする『コネクト』が動かした新たな事業の歯車
異業種の出会いを実現させたのは、企業間共創プラットフォーム『よりそう東北コネクト』
リアルなつながりから共創へと価値を創出
・東北の「未来の可能性」を共創から始める
東北の素材や技術で新しい価値を生み出したい。東北から始まる共創事業を後押し
「家具 × リンゴの残渣 × 東北企業」──少し意外なこの組み合わせから、単なる製品だけではなく、共創による新たな価値が生まれました。東北発の環境素材「RINGO-TEX®(リンゴテックス)」を開発するappcycle株式会社と、全国で家具を展開する株式会社オリバー。そして両者をつないだのが、企業同士の出会いを後押しする『よりそう東北コネクト』です。
今回は、株式会社トークネットの取締役・國井孝祥を交え、株式会社オリバーの渡邊弥生子さんと、appcycle株式会社の代表・藤巻圭さんにお話を伺いました。
「素材×ストーリー」が生んだ、新たな製品価値
── 今回の共創で生まれた成果について教えてください。
渡邊さん
今回の共創によって、appcycleさんの「RINGO-TEX®(リンゴテックス)」のストーリーを、付加価値として商品に載せてご提案できるようになりました。弊社の家具では張地を選べる仕組みになっており、その選択肢のひとつとしてエシカルレザーである「RINGO-TEX®(リンゴテックス)」を取り入れています。
藤巻社長からビジョンや想いを直接お伺いしたことで、単なる素材の特徴だけでなく、環境への配慮や地域への想いといった背景を一緒にお伝えできるようになりました。お客様にストーリーまで届けることで、商品の魅力や価値がより高まっています。
藤巻さん
私たちとしても、オリバーさんとの共創によって家具用という新しいフィールドに展開できたことで素材の可能性が大きく広がりました。これまでは名刺入れやバッグといった小物向けが中心でしたが、家具の張地としても求められることがわかり、開発の視野がさらに広がったと感じています。
渡邊さん
お客様に「東北の商材なんですよ」と伝えると、皆さんすごく関心をもってくださいます。東北出身の方からは「地元を応援したい」という声もいただきましたし、地域性も付加価値としてきちんと届いているなと実感しました。
リアルな出会いが、共創を動かす
―― この共創は、どのように始まったのですか?
國井
藤巻社長と『CONNECT+』で対談させていただいた際に、バッグや名刺入れにRINGO-TEX®(リンゴテックス)を使っているというお話を伺いました。そのときに、「家具にも使えたら面白いのでは?」と考えたんです。ちょうど別の文脈で、オフィス向けの提案もされているおしゃれな家具メーカー、オリバーさんともご縁がありました。これはいいマッチングになるかもと思い、両者をおつなぎしました。
藤巻さん
このお話をいただいて、「ぜひやりたいです!」と即答しました。
これまでも企業からご紹介をいただいてお取引を始めることはありましたが、家具という分野に直接チャレンジするのは初めてのこと。冒険のようなワクワク感がありましたし、結果的に形にできたことが本当にうれしかったです。
渡邊さん
弊社も、RINGO-TEX®(リンゴテックス)のお話を伺ったときにすごく興味を持ちました。
サスティナブル商材の中には価格や強度の関係で市場性の弱い商品もある中、実際にRINGO-TEX®(リンゴテックス)のサンプルに触れてみると、見た目も質感もとても自然で、通常の張地と区別がつかないほど完成度が高かったんです。
このクオリティであれば、施設用のコントラクト家具にも十分対応できると確信しました。
ちょうど環境にやさしい商材の選択肢を増やしたいと考えていた時期だったので、タイミングも合い、ぜひ取り組んでみたいと思いました。
―― 共創プロジェクトは、どのように進んでいったのですか?
渡邊さん
トークネットさんからご紹介いただいた後、2回ほど打ち合わせを行い、藤巻社長からRINGO-TEX®(リンゴテックス)の素材の背景などをお伺いしました。ビジネス的なサスティナブルの切り売りではなく、しっかりと地域課題にコミットしているストーリーがあることを知り、商品の伝え方にも大きな影響を受けました。
藤巻さん
打ち合わせの中では、「展示会でどのように見せていくか」といったプロモーションの検討もしました。 弊社としては、素材の調達ルートが整っていたため、オリバーさんに必要な素材をすぐご用意できる体制がありました。そのため、オリバーさんが自由に企画を進められるよう、できるだけサポートに徹する形をとりました。
渡邊さん
お話を聞いたときには強度や流通もすでに確立されており、「すぐにでも販売できる」という手応えがありました。
あとは、どのようにプロモーションしていくかが課題でしたが、藤巻社長から「ぜひオリバーさんのやりやすい方法で進めてください!」と言っていただき、どう魅力を伝えるかという段階にすぐ進みましたね。
語れる価値が、未来を拓く
――この共創プロジェクトは今後どんな展開を考えていますか?
藤巻さん
ぜひ「プライベートブランド」のような形でシリーズ化していきたいと思っています。現在いくつかの企業さんからOEMやODMの相談もいただいているので、私たちができない空間づくりの部分はオリバーさんにお願いしながら、RINGO-TEX®(リンゴテックス)を含む商材と、オリバーさんの思想や技術が融合した魅力的な空間提案に広げていけたらと考えています。
渡邊さん
私たちがこれから力を入れていきたいのは、 「RINGO-TEX®(リンゴテックス)という素材の魅力やストーリーを、オリバーとしてどのように発信していくか」というところです。製品にストーリーを載せることは、お客様の共感や選択に直結しますし、環境や社会貢献といったテーマに注目するお客様も増えています。
私たち自身がしっかり発信者として責任を持ち、魅力と背景を新しい付加価値として感じていただけるよう努めていきたいです。発信力をさらに高めながら、今回の共創を広げていきたいと思っています。
――今後どのような共創パートナーと出会いたいですか?
藤巻さん
私は「東北を元気にしたい」と本気で思っている方々とご一緒したいです。
何か新しい価値やインパクトを創出したいという、前向きで建設的な想いを持った方々との共創を、これからも進めていきたいですね。
渡邊さん
私たちは全国で活動していますが、会社を巻き込んで東北の素晴らしい素材や技術を全国に発信していくことが、東北出身である自分の役割だと思っています。東北が好きな皆様と、もっと一緒にワクワクしながら取り組んでいきたい。そういう前向きな仲間と出会っていけたら嬉しいです。
ビジネス変革は、共創から始まる
──共創の一歩を迷っている企業へメッセージをお願いします。
藤巻さん
僕がスタートアップをして思うのは、10やって9が失敗してもいいから1の成功を目指していくという、失敗を許容する文化が必要ということです。10社とやったら1社と上手くいけばいいぐらいの考え方で、共創にチャレンジしてみてほしいですね。
渡邊さん
共創に踏み出すときは、まず「想いを共有すること」を大切にしてほしいです。
生産者や使う人たちの想い、そして自分たちが伝えたい価値、 それぞれの想いをしっかり話し合い共有する時間が、最終的に本当にいいものを生み出す力になると感じています。そうした対話を重ねることが共創の成功には大事なのではないかと思います。
國井
私たちは、東北の人たちが一歩踏み出せるよう「背中を押す存在」になれたらと思っています。リアルな関わりを大切にして、想像力を持ち、もっと面白い“つなぎ方”をしていきたいですね。
今回は、株式会社オリバーの渡邊弥生子さん、appcycle株式会社の藤巻圭さんにお話を伺いました。素材そのものの機能性だけでなく、そこに込められた“想い”や“物語”を価値として昇華し、新たな市場価値を生み出した両社の共創事例。
共創を通じて、製品やサービスに新たな付加価値が生まれ、ブランド力向上にもつながる可能性が広がりました。今後のさらなる事業展開にも期待が高まります。
『よりそう東北コネクト』は、企業同士の出会いと共創の実現をお手伝いします。
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