『CONNECT+』Vol.10:地域企業の突破口

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掲載日:2024年12月20日

地域企業の突破口
~共創からはじまるInnovation~

「共創」は企業にどんな変革をもたらすのでしょうか。

地域企業が成長し続けるためには、異なる企業や産業の枠を越えて「共創」し、新しい価値を創出することが求められます。

「地域企業の突破口」では、東北の企業や自治体の先端共創事例を特集していきます。

 

最善の共創パートナーは地域銀行
CASE10 課題先進県が示す稼ぐ共創モデル

バイヤーは銀行から

お米、地酒、きりたんぽ、比内地鶏、曲げわっぱ。秋田県には「いいもの」「おいしいもの」がいっぱいあります。もし、それらの地場商品のマーケティング、ブランディング、販路開拓、プロモーションを一手に担う商社が秋田県に存在するとしたら?さらに、その商社の母体が地方銀行だと知れば、その独自性に驚かされるでしょう。

 

 

その企業は「詩の国秋田株式会社」。2021年に秋田銀行によって設立されたこの地域商社は、地方が抱える課題を解決し、地域経済を活性化させるための新しい経済モデルを提案しています。

人口減少や高齢化といった問題。こうした状況をチャンスと捉え、詩の国秋田株式会社は、秋田県の地域資源を活用して国内外に新たな価値を創造する挑戦を続けています。そのユニークな取り組みは、地方における「共創」の新しい形かもしれません。

 

地域商社が創る新しい地域経済の形

秋田県は日本でも特に人口減少と高齢化が進む「課題先進県」として知られています。内閣府の調査では、2065年までに日本の生産年齢人口は約2,900万人減少し、地方における労働力不足と経済停滞が一層深刻化すると予測されています。

特に秋田県では、県内総生産や農業算出額が東北地方で最下位という現状に加え、2045年には人口が約37万人減少し、その半数が高齢者になると見込まれています。

 

生産年齢人口の急激な減少による地方経済の停滞という従来の銀行業務だけでは解決が難しい課題に対し、地域商社という新しい「枠組み」を用いることで、地域資源の掘り起こしや付加価値化を行い、秋田の「稼ぐ力」を高める取り組みを続けています。

同社の活動は、単なる地方経済の活性化を超え、課題先進県としての秋田から地方創生のモデルケースを発信する重要な役割を果たしているといえるのではないでしょうか。

 

秋田の『地場商品』が世界を変える

詩の国秋田株式会社は、「地域とともに新たな価値を共創する」ことを事業目的に掲げ、地域経済の成長と持続可能性の向上を目指しています。同社は、秋田の農水畜産品や食料品、工芸品といった地場商品を対象に、マーケティング、ブランディング、プロモーション、国内外販路開拓、さらには自社ECサイト「詩の国商店」の運営を行い、事業を展開しています。

 

一般的な商社が「売れるもの」を選んで扱うのに対し、詩の国秋田が扱うのは、秋田の地場商品のみ。そのため、地場商品の魅力を掘り起こし、付加価値を高めることで「売れる」ようにしていくことが求められる。

また、県外や国外に積極的に販路を確保することが不可欠です。東京と台湾の台北市に拠点を構え、現地には常駐スタッフを配置。国内外に強いパイプを持っています。現地バイヤーへのアンケートやヒアリング、消費者のニーズを深く掘り下げる調査を実施。その結果を秋田の事業者に還元し、商品改良や新商品の開発に役立てています。

 

詩の国商店で販売している「いぶりがっことチーズのオイル漬」

 

この仕組みにより、国内外の消費者ニーズに迅速に対応し、高品質な地域産品をより広範囲に届ける体制ができています。

銀行発の地域商社であることが、県外・国外へ向けた地場商品のポテンシャルを発信できるという、独自のポジションを築いています。

 

銀行が商社に変わるとき

新たな「枠組み」だからこそ、今までの枠にとらわれない活動ができる。その事例の一つとして資金調達があります。

 

秋田県内の事業者の新商品に対し、クラウドファンディング(CF)を活用したプロモーションを展開しました。地元紙「秋田魁新報」と秋田銀行が共同運営するCFサイト「SCOP@Campfire」を通じて、YouTuberとしても活動する地元のキノコ農家が開発した新商品“黑椎茸”を紹介。このプロジェクトは開始初日に目標金額を達成し、商品の認知度向上と販売促進の両立を成功させました。

 

 

また、クラウドファンディングを活用することで、銀行融資に依存しない資金調達モデルを確立し、地元事業者が持続可能な経済活動を行える環境を整えています。その上で、同社が運営するECサイト「詩の国商店」も、秋田の特産品を広く国内外へ発信する重要なプラットフォームとして機能しています。

比内地鶏や稲庭うどん、秋田の地酒といった地域産品を全国の消費者に届けることで、秋田の「いいもの」をブランド化し、さらなる県外・さらには国外への市場拡大を実現しています。

商品流通にとどまらず、ブランド化やプロモーションを通じて高い付加価値を与えることに注力しています。

 

銀行が共創パートナーに、地域ビジネスの未来

詩の国秋田株式会社の取り組みは、その独自性だけではなく、母体となる銀行の情報・ネットワーク・フットワークといったリソースを最大限に活用することができたからこそ実現したといえます。これらは地方銀行が地域経済の「ハブ」として機能する可能性を示しているのではないでしょうか。

東京と台北という拠点を活用し、国内外のマーケットに適応したビジネスモデルを展開。その柔軟性と実行力は、地方資源の価値を最大化する具体例として、日本全体の地方創生のモデルケースとなる可能性を秘めています。

 

現在の取り組みはあくまで始まりに過ぎません。秋田から始まった「共創」の波。身近な銀行を「共創パートナー」として、ともに地域の未来を切り拓く時代は、すぐそこまで来ています。

 

左:トークネット 赤城 真ん中:詩の国秋田  藤田様 右:トークネット 太田

 

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