『CONNECT+』Vol.7:地域企業の突破口

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掲載日:2024年8月8日

地域企業の突破口
~共創からはじまるInnovation~

「共創」は企業にどんな変革をもたらすのでしょうか。

地域企業が成長し続けるためには、異なる企業や産業の枠を越えて「共創」し、新しい価値を創出することが求められます。

「地域企業の突破口」では、東北の企業や自治体の先端共創事例を特集していきます。

 

過疎地に世界中から累計4,000名がエントリー
CASE07 “超実践型”のIT起業家育成事業を共創のきっかけに

 

2015年にスタートしたスパルタキャンプは、これまで28回実施され18ヶ国から累計4,000名以上がエントリー。

定員15名に対して数十倍の応募が集まる反響の大きさは、過疎地の起業家支援事業として異例の注目度です。

なぜ、同キャンプはこれほどに注目を集めているのでしょうか。

 

1ヶ月でIT起業家を輩出

岩手県北西部に位置する八幡平市。

『十和田八幡平国立公園』を形成するなど、豊かな自然に恵まれた同市には1960年時点で5万3,805人が居住していました。

しかし、2024年6月現在は2万3,206人に減少。ピーク時から約57%の人口減少に直面しています。

 

進む過疎化を背景に、スパルタキャンプは発足しました。

キャンプでは、1ヶ月間の毎週金曜・土曜・日曜にプログラミングと新規事業開発の方法を教え込み、わずか1ヶ月でIT起業家に“改造”。

 

 

最終的には『オリジナルのビジネスプラン』と『起業を実現するためのアプリ/Webサービス』を手にして、

早期に起業を目指せる“超実践型”の起業家育成プロジェクトであることが人気の要因と言えるでしょう。

 

現在、キャンプを経て八幡平市内で起業した法人は13社(2024年7月時点)。

参加者にはキャンプをきっかけに八幡平市に魅せられ、ハワイから移住して起業した方もいるのだとか。

 

プロジェクトの発起人は、八幡平市商工観光課 課長補佐の中軽米真人さん。

堀江貴文さんが主宰するサロンの1期生で、これまでにYouTube『ホリエモンチャンネル』に20本以上出演するなど、“面白い”を判断基準とする“役人”らしからぬ発想と行動力で事業に取り組んでいます。

 

 

現状を覆した“逆転の発想”

八幡平市では、若い世代の多くが「希望する仕事がない」と就職をきっかけに同市から転出しています。

当時調査したデータによると、岩手県内の大学生は公務員が多かったのに対して、県外に出る学生は就職先として情報通信業を選んでいる例が多かったそうです。

 

そのような状況を踏まえ、仮にIT企業の誘致を考えたとしても、人口減少に悩む自治体には高いハードルでしょう。

 

「それなら、仕事を生み出すプレイヤーとしてIT起業家を創り出せばいい。」という“逆転の発想”に至った中軽米さん。

大きな地域課題から好機を見出して、スパルタキャンプを立ち上げました。

 

ヨソモノの目線が共創のヒントに

地方での共創について話を伺うと、中軽米さんは「よく地方の人は自虐的に『ここには何もない』と話します。ですが、それは“余計なもの”がないだけ。

共創に欠かせない“自然”や“歴史”といった、後付けではつくれない資源は揃っています。

もし資源を見つけられないのなら、他の地域から誰かを呼ぶことも一手」と、語ります。

 

第三者目線が共創に欠かせない資源を見出すヒントになり、共創を生み出す可能性が高まっていく。

同市でも、行政とキャンプ出身の起業家が連携し、遠隔医療を導入した実例があります。

 

端から端まで移動すると、車で1時間以上の移動時間を要する広大な同市。

市街地から離れた診療所で常勤医師が退職した際には、市民病院の医師が交代で長距離を移動して対応を余儀なくされていました。

 

遠隔診療の導入により、医師の負担増という課題と医療サービスの向上をともに実現。

行政課題を地域の起業家が解決したこの取り組みは、キャンプの意義を示したと言えます。

 

 

起業家と投資家の育成を両輪で

人口減少を否定的に捉えず、DXを加速させるドライバーとして捉えることによって、

キャンプを軸にIT起業家を育成する同市の事業は過疎に直面している東北エリアに一石を投じることでしょう。

 

同市内で起業したキャンプ出身の起業家は、キャンプの講師を担うなど新たな起業家育成を支えています。

“起業家育成のエコシステム”を形成した同市は、イノベーションのサイクルが生まれ始めました。

 

今後のビジョンについて「若き起業家を応援することが『カッコいい』という文化を醸成したい」と話す中軽米さん。

起業家育成に続き“地域の投資家育成”を見据え、若い起業家を支えていくカルチャーの醸成からオープンイノベーションを促進する構えです。

 

地域で起業家を育て、“ヨソモノ”の目線から資源を活かし、まさにオープンな姿勢でイノベーションに取り組んでいく。

そして、魅力的な事業をリードする起業家を地域の投資家が支え、共創が叶う。

同市が推進する取り組みは、地方での“理想的な共創”を体現しているのではないでしょうか。

 

 

 

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